シナリオ:AUGÚRIOS
キャラメイク
スペードA 資源/広大な・温かい
クラブ6 動植物/見捨てられた・湿った
ハート10 人物/制限された・鋭利な
ダイヤ2
センカ。
まだ年若い商人の少女。逃げ足と交渉を武器にする非力な旅人。
浪人もさることながら、見かけの幼さゆえに歓迎されないことも多い。
たいていは孤児扱いされ、商売までこぎつけないことも多々。金のためならめげない。
とは言え品質の確かさと気の好さから、数少ない常連には温かく迎えてもらえる。
乳児の頃に動物と共に育った野生児。その後は修道院に引き取られたが、肌に合わず家出の形で飛び出した。
野犬、それからもう一人の誰かと寄り添って眠っていた記憶だけが明瞭に残っている。その記憶は寂しい夜の心強い味方としながらも、現実かどうかは自信がない。
嗅覚だけは確か。
本当の家族を探している。
旅
1日目
クラブA 動植物/広大な・温かい
ハート5 人物/汚れた・開かれた
スペード6 資源/見捨てられた・湿った
風の強い草原を横切る。鹿のような動物の群れが長い道を横断しており、センカは物理的な護衛代わりに群れの先頭付近に同行した。
数刻歩いた末、人を発見した。正確には、人だったものを。
獣に食い荒らされおり、身元の分かるようなものは一切発見できない。おそらく、この周囲は肉食獣の根城なのだ。何かを察知したらしい動物の群れは、地響きを上げながら立ち去っていってしまった。
……弔うにも、己の身の安全が確保できない状況では難しい。古錆びたペンダント一つを拾い上げ、センカも急ぎその場を立ち去った。
ダイヤA アクシデント回避~
2日目
クラブ3 動植物/活発な・装飾された
ダイヤ7 天候/壊れやすい・星の
クラブ11 動植物/複雑な・詰め込まれた
今晩はずっと天候がよかった。
寝床はジャングルじみた茂みの間にしつらえることになった。雨でも降れば、さぞ雨粒が入って不愉快だろう……と危惧していたが、夕方から夜間にかけてはすっきりと涼しい晴れ空が広がっていた。
快適だ。土の匂いも抑えめで。
むっと濃い土に触れているほうが、懐かしい気持ちにはなるけれど。
あまり寝付けず、明日の行程を考えながら横になっていた。
町にいるときは、親切で軒下を貸してもらえることが多い。でも、センカが本当に落ち着くのは安全な箱ではなく、天井のない野外なのだ。
クラブ4 アクシデント回避~
3日目
スペード2 人物/綿密な・残滓の
ダイヤ8 天候/腐った・染みついた
スペード9 資源/有機的な・輝く
道を間違えた。
深い森の道は、肥溜めの臭いが漂っている。たぶん、近くに農場か何かがあるのだ。
視界が狭くて元凶がどこにあるのかは分からないが、きっと広い畑か何かなのだろう。……この区画を抜けるまでは、まるでこの糞まみれみたいな臭いに晒されそうだ。
ダイヤ4!アクシデント回避~
4日目
ハート4 人物/分割された・祝祭の
ハート6 人物/見捨てられた・湿った
ダイヤ13 天候/吐き気を催す・暴力的な
そこそこ大きな街に到着した。
祝日らしく、いたるところで色とりどりのガーランドがはためいている。
……が、糞尿の匂いがする若者の扱いはとてもとても悪いものだった。そりゃそうだ。この分では、荷物のいくつかも駄目になっているかもしれない。
とにかく安い宿を見つけだして、身支度と荷物整理をすることにした。あまり治安がいいとも思えないので、早く立ち去ったほうがいいかもしれない。
少ない湯を借りて体を洗い、それからまともな銭湯を借り直して身を清めた。
大した手間だ、やれやれ。
クラブ7!
5日目
ダイヤ5 天候/汚れた・開かれた
クローバー10 動植物/制限された・鋭利な
スペード12 資源/誇張された・陰鬱な
商機でもある。今日こそ祭りを見回ろう。
……と思っていたが、あいにくの雨でほとんどの店は閉まっていた。残念だ。
宿に戻って休むかとも考えたが、まだ熱の冷めやらぬ人々は濡れるのにも構わずどんちゃん騒ぎをしている。
せっかくだ。陽気な酒場に混じり、吟遊詩人の歌を聴いて過ごした。
酔っ払い相手に商談はできないが、飲み客の一人はセンカの品に興味を持ったらしい。「いくらでも出すよ!」と豪快に笑って言った。
スペード3
6日目
クローバー8 動植物/腐った・染みついた
ハート9 人物/有機的な・輝く
ダイヤ11 天候/複雑な・詰め込まれた
夜中のうちに雨は上がり、日中は曇り空となった。
酒場はすっかりしらけていて――あるいはこれが平常なのかもしれない――落ち着いた食事客しかいないのだった。正直なところ、それはそれで物足りない。
店員に香草を見せてみたところ興味を持たれ、一応の商談が成立した。
ただ、この地方では珍しい香草であるために料理として使えるかどうか分からない、とのことで、少量のみの販売となった。
そろそろ、直近の宿代くらいは稼いでおきたいのだけど。タイミングの悪い日々だ。
Joker!
ハートA 呪い
少ない代金の代わりに、店員が差し出してきたものがある。
以前、無銭飲食をした客から金のカタとして押収したという指輪だ。売ろうと決めた店員が指を切るなどの不幸に見舞われたため、仕方なく手元に置いていたという。
なんてしょうもない逸話なんだ。口に出したら、店員は神妙な顔をした。仕方なしに受け取っておく。
確かに大ぶりな宝石が嵌まっているし、美麗な品だ。結構な値が付くだろうし、何よりこういう曰く付きの品は好事家が喜ぶ。
厄呼びという話は信憑性が薄いけど(たいていは信心深い人間の勘違いや思い込みだ)、この町を出る前に鑑定でもしてみればいいだろう。
7日目
スペード10 資源/制限された・鋭利な
ダイヤ10 天候/制限された・鋭利な
スペード11 資源/複雑な・詰め込まれた
相変わらず天気の機嫌は悪い。
町の周囲は森が深いので、なるべく空が落ち着いてから出立したいものだ。どうせなら、この町で十分日銭稼ぎをしてからの旅路になるだろうか。
祭の直後はどこも物資不足になるだとかで、だんだん出る食事も質素になってくる。
旅慣れたセンカには「いつも通りの食糧」だが、町の人間にとってはつまらない節制の期間のようだ。
こうなれば食品類の売り時だ。雨外套を借り、目に付く店を歩き回ることにした。
8ハート