親愛なる兄上へ
こんにちは、お元気ですか。気が向いたのでこうして手紙をしたためています。
私が家を出てから、もう数年が経ちました。五年か六年か、正確なところはちょっと思い出せないけど。ともかくとても長い間留守にしています。黙って家出なんかしてごめんね。でも、当時の私には唯一の選択肢に見えたのです。
今は元気に、自由にやっています。配達のお仕事はだいぶ順調になりました。間借りしている家があって、とても親切にしてもらっています。そこでは私の夢も応援してもらっているの。優しい人です。私も他人にこんなふうにできたらいいな、と思います。願わくば、次家に帰ったときに、みんなにそうできたらいいな。
里帰りの予定はさっぱりないけど、配達で近くに寄ることはあるかもしれません。またいつか会いましょう。
兄さんさえよければ、また一緒にクッキーを焼こうね。星の形を焦がさないように。
3/21 草原果ての渓谷にて 料理下手のクラリーより
コマンド
シェアが上手くできなくて一部ログが消えちゃった。
天気: ひやりと立ち上る冷気、温かな毛布の厚みとふわふわする感触、隙間から侵入してくる冷たさ
みつけた筆記用具: ボールペン、模造紙、無地の茶封筒
思い出したこと: 大事な相手とした約束