シナリオ:宇宙船サバイバルTRPG
キャラクター!
🔮<聖杯♥️ 6 > 過去を振り返る/幸福/楽しみ
🎲1d6 → 2
ファニア。30代女性で、主に乗員の健康管理を行う衛生士。
健康管理をすべき対象は緊急脱出船ごとデブリと衝突したか、もしくは暗い宇宙の彼方へと見失ってしまったかで、もういない。
元々典型的な人見知りで、人付き合いもそこまで好きではなかったものの、この広大な宇宙での一人きりが確定するとなると話が変わってくる。孤独に死にたくない! 母星域の居住区に帰りたい!!
漂流
一日目
落ち着いて現状把握を終えるまでに一日を要した。今置かれている状況は、大まかにこうだ。
我々の船は五ウオン2-4星域の定期巡航路で自動操縦をしていた。突如船体が推進力を欠き、レーダーに映らない何かに衝突した。船はかろうじて操縦機能を保っていたが、原因の分からぬ場所で漂うことがどれだけ安全かは考えるまでもない。時間の問題だと見た船員はそれぞれ脱出船に乗り、船を離れた。
運の悪い脱出船が衝突によるデブリと接触して破裂した。これが五、六便。
施錠忘れのあわてんぼうが乗った船、あるいは衝突の衝撃でロックの破損した船が、発進と共に内側から爆散した。これが二便くらい。
せっかちに推進を吹かしすぎた船が、目にも止まらぬ速さで星の彼方に消えていった。あれは副船長の脱出船だと思う。
恐ろしくて発進もできずにただ閉じこもっていたら、いつの間にか周囲が静寂だった。これが、私。
数十分か、あるいは数時間か。とにかく時間が分からなくなるくらい長い間、私は脱出船の内側でじっとしていた。ことの始めに船と衝突した「何か」は、もう船を襲ってこないようだ。かりそめの安寧を得てから立ち上がるまでにまた数十分を要した。
おそるおそる船内を見回ったところ、操作系統はまだ生きていた。衝突部分の破損は激しいが、狭くて限定的な脱出船単体よりはまだまだずっと役に立つ。
私は今から、この船で生き延びねばならない。専門ではないが、一通りの操縦とメンテナンスの手順くらいは分かる。目標は私が母星域への帰還を果たすか、あるいは救助が到着するまで。場合によっては、生き残った船員、あるいはそうでない船員も回収しながらの作業になる。
そこまでを頭の中で組み立てて、ようやく一息をつく。全く生きた心地がしなかった。私は衝突の現場に居合わせも、脱出船の稼働もしていないのに。臆病と保身ゆえにこの道を選んだ気質はそう変わらないのだ。
あと、卑屈な性根もだ。……事故を起こすのが、他の船ならよかったのに。
イベント!
🎲2d6 → 6,1(合計 7)
静かな一日。
船の状態は一通り確認できた。完全な修理は難しいが、致命的な破損というほどでもない。私一人を運んで低速航行するくらいなら、わけもないだろう。
もちろん、状態が万全に越したことはないので、修理もいずれ手を付ける予定ではあるのだが。
アクション!
🎲1d6 → 3
アクション!:修理・機材を直す
🎲2d6 → 1,5(合計 6)
6+2>11 失敗……
宇宙航行における鉄則その一、こまめな連絡。就業以来、守れなかったのは初めてだ。
船の通信系統が破損していた。送信、受信共にだ。見間違いかと何度も調べ直したが、結果は変わらなかった。
星間ジャンプ通信はただでさえ管理が面倒な分野であり、私の最も苦手とする部分でもある。出来ないことはないが……と、自分に言い訳するのも先が思いやられる。まずは送信部の機能を最低限復元して、それから受信機を整えて……。
思わず荒げた声を上げてしまったが、誰もいない船内でこだまするだけだった。虚しい。
二日目!
イベント
🎲2d6 → 4,3(合計 7)
静かな一日
元々中型の巡航船であったから、一人分の食料に余裕があるのは幸いだった。チョコ風味のJ型スナックを齧りながら今後に必要なことを考える。
まず、何らかの手段で母星と連絡を取ること。元々の巡航予定での帰航はあと二年ほど先だから、通報しない限り救助は望めないだろう。
次に、連絡手段を修理すること。これはあくまで目的ではなく手段なので、必ずしも必要というわけではない――現実逃避という自覚は、もちろんある。
ただし、それらだけにかまけているのも問題がある。現在、この船はマップも操縦も不完全なのだ。早いうちに母星に向けて進路変更したいが、行き先の正確な位置が算出できないし、できたとしてもただ直線距離を向かえばいいというものでもない。軽い気持ちで高速進行など起動しようものなら、道中で他の船や惑星にぶつかりかねないのだ。もちろん、道中の惑星や恒星から船に受ける影響だって、勘でいなせるものではない。
そのためには、まず現在地算出のプログラムを起動する必要がある。そのために、操縦パネル表面の修復を待つのと、操作板の配線光の調整も必要だ。そのために、代替パーツの用意と修理手順の検索を船内外データベースで行うべきだろう。そのために、……。
ため息を吐いても、空気を悪くすると咎めてくる船員はいない。
アクション
救助を呼ぶ!!
🎲2d6 → 4,4(合計 8)
8+3=>11 成功!
こうもやることが積み重なる状況は、人の脳が脆いことを知らしめる。
ひとまずは、順に取り掛かる他あるまい。まず、「何かの手違い」あるいは「運よく」通信が繋がることを期待してテスト送信をしてみた。通信士による手癖の信号カスタムが読み解きづらかったものの、回線を開くことは成功した。それから、返答を受け取ることもできた。
返答が。
「こち……ムラベア西……2星域担……地局。……されましたか?」
通信を開くなり、音声が届いた。かなりノイジーで行きかう波のような物音だが、間違いない。母星のコードだ!
どれだけ聞き取られるかは不明だが、ともかく現状のなるべく多くを伝えた。原因不明の衝突が起きて船が小破したこと、船にいる生き残りは自分だけであること、生存に向けて動いていること。返信は聞き取れなかったが、確かに伝わった、ような感触がする。
通信機はノイズの音を立て、それきりバッテリーを落とした。
緊急事態は知らせられたと見ていいだろう。正直なところ通信機テストの成果は全く期待していなかったのだが、これなら上出来だ。ひとまず救助支援の一歩が進んだ今、船体の管理に手が回るようになるし……何より、命の保証が一つ増えると、気分がいい。
丸窓越しの星空を眺めながら眠りに就く。普段と変わらぬ静寂のはずだが、やはり寂しさは強い。