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海の悪魔?

2024-12-16

シナリオ:自作ソロジャプロンプト集

キャラメイク!

 ◇ 船乗り
◇ 犯罪
◇  Card: ダイヤ 3
年若い少女。
その犯罪は故意で、望むものか?巻き込まれたのか?
◇ コイントス! => うら

望まない犯罪に巻き込まれた、年若い少女。

実のところは密航者なので、自身も罪人ではあるのだが、それはいったん置いといて。

 ◇ 狩人
◇ 商売
◇ 片眼鏡

港で見かけてこれ幸いと忍び込んだのは、隠れた密漁船であったらしい。
船倉で盗み聞く限りでは、あの航海士の片眼鏡ともう一人が一攫千金を目論んでいて、そして船長らはそのことを知らないようだ。

 ◇ 場所の移り変わり・移動
◇ 雪山
◇ 宝箱

危険なことには関わらないに限る。あたしは、あたしの旅ができればいい。――そう思ったのだが。
あれよあれよという間に船は進路を変更し、氷海へと向かうことになったようだ。この真冬に!

 ◇ ランダム×2に全てを委ねよう
◇ 灯火の防衛

この先の海域は単なる氷海ではない。「呪われた」と冠詞が付くような場所だ。
酒場の酔っ払いいわく、航路を取った船がことごとく嵐に見舞われ沈むとか。地図を開いて置いていたらインクが倒れて黒塗りになったとか。

……怖いどころか、しょうもない噂話を聞く数のほうが多かった気もするが、まあそんなことはいい。重要なのは、何とか進路を元に戻させる必要があるということだ。あたしの手で何とかなるなら、手段を選んではいられまい。

ルール

  • 一日一回、いたずらを試みる。船内で取れる手段であれば何でもよい。
  • ただし、船員に見つかってはならない。
    ダイスを2つ振ってゾロ目が出た場合、「出目/2」人の誰かに発見されることになる。
  • 船員に発見されてしまった場合、何らかの保身や回避策を取ることができる。トランプを引き、ランクが「人数×3」以上なら成功。

作戦開始!

一日目

 ◇ 人との遭遇・関わり・別れ
◇ 殺害
◇ 給仕

船内にしつらえられた密室に向かう。ここは船員たちから「檻」と呼ばれている場所で、例えばあたしのような密航者や、船の掟を破った船員などが拘留される場所だ。常に人が役割を持って動く船内と違い、ここだけは時が止まっている。現状、あたしが最も動きやすい場所だ。

……そっと中を覗いてみると、一人の船員らしき囚人がうたた寝をしているところだった。驚かすには格好の的かもしれない。さて、何をしようか?

 ◇ 人工物の取得・喪失・使用
◇ グレートヘルム

忍び足でスリングを構え、牢内の食器に狙いを定める。今、船の横揺れは少ない。ここで食事後の皿だけが暴れ回ったら、彼は驚くに違いない。

◇  Card: スペード 8

石は若干狙いを逸れて、食器の端に当たった。大きな物音が鳴り、囚人は飛びあがる! 目論見は失敗したかと焦ったが……衝撃を受けた丸い皿はぐるぐる、ぐるぐる、何もないのにしばらく回り続けた。怪奇現象としては、成功だ。

◇ Dice => [1, 2] = 3

囚人は始め、すわ何事かと周囲を見回していたが……何もないのに動く皿という事態を呑み込むと、やがて顔色を青くし始めた。やがて鍵のかかった檻を叩き、近くの船員を呼びよせる。
あたしはその場を離れ、船倉のより深い場所へと潜り込んだ。手はじめに丁度いい結果を得られた。

二日目

 
袋詰めのレンバスを失敬し、酒を飲みながら次の一手を考える。
連日牢で遊ぶだけというのは芸がない。もう少し大きいことをやりたい。少なくとも、囚人ではなく――立場上、彼の証言はどうしても弱いだろうから――もう少し発言力のある船員を驚かす必要がある。

とはいえ、それは言うほど楽なことではない。計画を練らなければ。

◇ 水

船員の持ち回りを把握するには、まだ時間がかかる。船に乗り慣れているとは言え、あたしは門外漢だし、彼らの時間割なんて知ったことではない。だから、手軽に仕込める罠が必要だ。例えば時限爆弾のような。

まずは船倉の窓から身を乗り出し、船体に付着したふじつぼや……海藻や……その他の諸々をいっぱい集めた。いくらあたしが身軽で器用と言えど、落ちないように気を張るのはなかなか苦労した。甲斐あって、収穫はたくさん得られた。
次に、食糧庫でラム酒の樽を開け、いっぱいの収穫物を放り込む。前の酒樽はもうすぐ空になるから、次はこれが使われるはずだ。そのとき、酒がまるで海そのものみたいに浸食されていたら……験担ぎを好む船員は、かなりの忌避感を覚えるだろう(きっと!)。

食料が減れば、それだけ短い航路を取らざるを得ないだろうって目算もある。つまり、どう転んでもあたしの望みには沿うはずだ。

◇ Dice => [3, 5] = 8

仕込みを終えて、逃げるように船倉へと戻る。
……無茶をしたものだから、すっかり両手が冷え切ってしまった。氷海に向かう前ですらこれだと思うと、先が思いやられる。今日は温まって眠りたい。
 

三日目

 
船内の空気は、だんだん悪くなり始めている。やったね。元々信心深い船員たちだ、怪現象が続いたとなれば、そわつくのも仕方ないことだろう。
船員が「悪戯して回る密航者」論を語らないのは幸いだった。もっと見張りの眼が厳しくなる前に、さらなる嫌がらせをしておかねばならない。

◇ 博物館

船旅において「祝福」あるいは「呪い」という概念は、陸でのそれの数倍は重んじられる。船乗りたちはおしなべてデイヴィ・ジョーンズの監獄を恐れるのだ。
だから、彼らは海の神の怒りを買わないように、船内での規律を立て、彼らなりの規則を守る。それは船員同士の喧嘩についてであったり、女の乗船を禁じることであったり、……航海中に取得した宝の扱いであったりする。

船には、必ず戦利品置き場がある。あたしが乗り込んだこの船だって例外じゃない。たいていは専用の宝物庫や船長室を使うが、この船は後者のようだ。
実直な海の男とあれど、自室で何かが起きれば、無視していられないはずだ。あたしは細心の注意と共に侵入計画を立てる。

 ◇ 大雨(悪天候度80%)
◇ 屋敷

多くの船員が甲板に集まっている隙に、そろりと船長室へ向かう(ご丁寧に水濡れの足跡を残しながら)。室内はかなり整頓されて見え、あの船長の四角い顔に似合う実直さのようだ。

◇ Dice => [5, 1] = 6

コートラックに掛けられた武具を倒し、立派な椅子を蹴り飛ばす。ワインボトルで王冠のような頭飾りを殴りつけて、まるで殺人現場みたいにする。
今日は大時化の海だから、どれだけ物音を立てても誰も気付かない。あたしも揺れに転んで膝を擦りむいてしまったけど、今出る血は都合がいい――とは言え痛いものは痛いから、部屋のカーテンを包帯代わりに借りてゆく。
せっかく本物の血を得られたのだから、壁に血文字を書いて仕上げとしよう。文言は何がいいかな。脅しになるような、でも露骨過ぎない文句がいい。

◇ 【世界】正: 完成/永久不滅/約束された成功 | 逆: 衰退/低迷/調和の崩壊

「世界はひっくり返る」……これでよし。
港の酒場で、酔っ払いが話していることがあった。賭け事の話だと思うけど、何かのことわざだったろうか。でも、丁度いい。船旅というのはそれ自体が大きな賭けであり、そして船乗りもそれを分かっているはずだから。

全ての用意を終えると窓から出て、結んだ布を伝ってあたしのエリアへと帰還する。彼らが信心深ければ深いほど、この悪戯の成果は早くに出るはずだ。
 

それから

 
◇ 人工物の取得・喪失・使用

数日後、船は港に戻った。船員たちはすっかり怯えて、あの賢そうな航海士までもが航路見直しに賛成したのだ。笑っちゃう!

あたしは無事、揺れない地面に足を着けることができた。揺れない地面とは何て安定感があるんだろう。
数日泊まった船を離れて雑踏に紛れる。もう彼らに会うこともない。……だから、船長室から失敬したこの金貨は、返さなくてもいいよね。