シナリオ:旅といちにち
キャラクター
#ジェイとイフェン
🎲1d6 → 1
移動速度:かなりのんびり!
1
🔮<剣♠️ 騎士 > 勇ましさ/激怒
非日常的な灼熱の地
🎲1d6 → 2
危険度:まあまあ安全
砂を踏むと、浅く靴底の形が残る。この砂地にも慣れてきたけど、だからと言って行程が楽になるわけではない。イフェンなんて、あまりの暑さに舌を出しっぱなしだ。
……私たちは砂漠を横断していた。砂漠と言っても、広大な土地ではない。風で転がって削れた砂が、岩場の隙間に溜まったような、ごく細長い砂の道だ。地熱が影響しているのか、この付近はかなり熱が溜まっている。もう書簡の配達先は近いはずだけど、そこまでたどり着けるだろうか。
走ってもいないのに汗をかくことなんて、久しぶりだ。休憩しようにも、蒸し風呂のような環境では休むに休めない。とにかく、この区画を抜け出したい。
🃏 → 🍀クローバーの 13
有害な天災
目の前がぼんやり明るいと思ったら、熱源がすぐそばに出現した。……溶岩だ! 砂地の間から、宝石みたいに赤い液体が薄く湧き出しており、周囲の砂を溶かしている。
危険だ。危険だし、目が焼けるように熱い。のだけど、……つい見とれてしまった。お屋敷にいるままでは、見れることのない景色だ。この溶岩がどうやって湧き出しているのかは分からないけど……何であれ、私の知らない世界だ。なぜこんな土地があるのか知りたい。ああ、パルみたいな案内役がいればよかったのに。……彼は元気にしているだろうか。
イフェンが急かすように私の裾を噛んだ。ついつい長いしそうになったけど、このまま留まっていたら茹でられてしまうかも。特に熱い区画を避けて、通り過ぎてゆく。
2
🃏 → 🧡ハートの 6
実り豊かな密林
だんだんと気温は下がっていき、岩肌の色味も薄くなっていった。やがて背の低い野草が見え始める頃には、涼しげな風が肌を撫でていく。イフェンは冷えた風を浴び、嬉しそうにその場で一周した。
少し歩くうち、風景は生い茂った森へと姿を変える。まだ昼間のはずなのに空は暗い梢で遮られており、また逆の意味で居心地が悪い。道を誤らないようにしないと。歩行ついで、右側の木に小さな傷を付けながら進む。
🃏 → 🧡ハートの 6
大きな・多くの 商人・売買
何かの動く物音が聞こえた。野生動物かとイフェンが身構えたが、相手の影は私よりも高い。人だ。……それも、肩に大荷物を背負っている。
🔮<剣♠️ 2 > 均衡/条件付きの調和/
その若い少年は、旅商人と言った。私よりも幼いのではないか? 人当たりのよさそうな振る舞いで、森を抜けるまでの同行を申し出てくる。……親切すぎる方や、愛想のよい方は警戒すべきと学んでいるから、信用しきるのも悩ましい。しかし、この少年も心細いのかもしれない。
バッティは、いろんなことをよく知っていた。話芸の多彩さは彼の武器なのかもしれない。元大道芸人で、複数の土地を行き来することも慣れているらしい――しかし、生来の方向音痴だけはなかなか正せないと。
この近くに集落があるかと聞いたら、さっき立ち寄ってきたばかりだと言う。おそらく、そこが書簡の目的地と言えるだろう。ついでに(迷子と言えども)案内を頼めないか聞いてみたが、……再び顔を出すことには消極的なようだ。なぜだろう?
🃏 → 🧡ハートの 9
大きな・多くの 通せんぼ
さて、なけなしの日光を頼りに方角を決めていたのだが……それを遮るものがあった。倒木だ。幹の長さは先が見えないほどだし、高さだって私の背二つ分くらいはある。どうやったって通れそうにない。
どうしようか。回り道をしてもいいけれど、既に日も傾き始めている予感がする。今日はここで休息することに決めた。
🃏 → 🍀クローバーの 2
有害なオアシス
結論から言えば、イフェンを見張り番にしていてよかった。いや、普段からほとんど似たことはしてくれているけど。……夜中、バッティは私の荷物を奪おうと試みて、そしてイフェンに追い返されたのだった。
慌てて立ち去ってゆく背は少し可哀想で、「もうしない」とお約束が出来ればまだ同行してもよかったのだけど……でも、こういうことが重なると軽視されかねないことも確かだ。イフェンを留めて、彼の背を見送った。
彼に構っている暇がなかった、とも言う。――障害物となっていたはずの倒木は、忽然と姿を消していたのだ。地面には、長く浅く抉ったような跡が残っている。倒木ではなく、眠りに落ちている蛇だったのだ。それも、巨大な!
慌てて荷物をまとめ、火を消し、その場を離れた。いくらイフェンが頼りになると言っても、あの大きさに丸呑みされてはかなわない。そう経たないうちに空が明るくなったのが救いだ。
……バッティは大丈夫だろうか。